本記事では、40代おひとりさまが考えがちな「誰にも迷惑をかけずに生きるには?」についてお伝えします。
医療・介護の当事者の視点で「現実的で役立つ正しい知識」を解説します。
看護師のわたしは、これまでの多くの生死に直面してきました。
厳しい現実をたくさん知ったからこそ、
「ひとりで生きるための知識を持つこと」、
「今を楽しく生きること」をおひとりさまのあなたにも大事にしてもらいたいと思っています。
看護師の目線から、同世代の独身女性にお伝えしたいです!
正しい知識があれば、「老後に備えながら今を楽しむ」おひとりさま暮らしができますよ!
- 「誰にも迷惑をかけない」はムリ
- 周囲にも自分にも負担が小さくなる準備とは
- 備えながらも楽しむことを両立させる
「誰にも迷惑をかけたくない」はムリ
病気が分かったとき
外来の診察でたびたび見られる場面です。
「入院して治療が必要です。ご家族にもお話を聞いてもらって、入院手続きを進めましょう」
一定数の方がこの提案を受け入れてくださいません
「家族とは疎遠なので連絡は取りません。1人で入院して手術を受けます。」
「親は高齢だし兄弟はいそがしいです。連絡しません。」
「頼れる人はいません」
「わたしは独身なのでいつ死んでもいいです。治療は受けません。」
結論を言うと、どれもムリです
実際はこういう流れ
医療機関は健康保険制度(税金)を利用しながら人の命をあずかる場所です。
その責任がある以上、一般の人が思い浮かぶような選択肢が取れないことは多々あります。
・入院し治療を受けるには家族(身元引受人)の署名が必要
・家族に連絡が取れない場合は会社や役所に連絡する
・大きい病気なのに治療を受けない(←のちに治療を受ける)
(例)大きい病気を放置
➙買い物先のスーパーや通勤途中で意識をう
➙通りがかりの人が救急車を呼ぶ
➙結果的に病院に運ばれ、治療開始となる
だって、社会の一員だから
わたしたちは社会のシステムを利用して生活してますよね。
「誰にも関わらず、迷惑をかけない」はありえないんです
ひとりで生きるために準備すべきこと
看護師歴20年のわたしが考えるのは、
「他者にも自分にも負担が少ないように準備しよう」ということです。
「迷惑をかける or 迷惑をかけない」という0か100じゃなくね
「家族や知人に負担は必ずかけるけど、少なく」という考え方が良いと思います。
金銭面の準備
「最低でも収入がなくなっても半年間生活できるだけの現金を確保しよう」
ライフハック界隈での「常識」のようになっています。
わたしの場合を例に説明しますね。
生活費 17万円(住居費を含む)× 6ヶ月 | 102万円 |
年単位の固定費 ①固定資産税 | 13万円 |
②自動車税・車検・自動車保険 | 16万円 |
+α (臨時出費) | ?万円 |
必要金額 | 131万円+α |
※車検は隔年のものですが、この表では固定費としておきます
これじゃ不安な気が…入院したりするとお金がかかるよね?
そうだよね。
でもなんで「半年分」と言われているかというと、
公的健康保険制度は超・優秀だからです。
あ、会社員だと有給休暇制度とか病休制度もあるし!
民間の健康保険も入ってる人だと、なお安心ですね
正直、お金はたくさんあるほど安心ですが、急に収入を増やせるものでもありません。
ちなみに、わたしの現金確保額は手取り額2年分です。
(他の金融資産はNISA+ideco)
ひとそれぞれの「落としどころ」があるだろうし
「ほんとに貯金がないよ」というあなた、まずは「半年分の生活資金」から目指してみてください。
貴重品の準備
貴重品は、いざとなったらすぐ手に取れるようにしておきましょう。
ちゃんと管理できてますか?
わたしはすべてファイリングしてます。
ひとつの引き出しや金庫にドサッと入れると、迷子になりがち…
災害や体調不良の準備
体調が悪い、停電しているなどの状況でも持ち出せるように管理しましょう
入院への準備(モノの準備)
大ケガや大病の場合、自分で入院の準備はできないと思ってください
ほとんどは買い物を頼めばいいのですが、家族や友人に自宅から持ってきてもらうこともあります。
1つのバッグに入院用の荷物をまとめておくのがベストです。
別の記事でくわしく解説しています。
「人生を逆算」40代こそ楽しむべき
わたしは40代になってから人生を逆算して考えることが増えました。
現在の日本では80代で最期を迎えることが多いです。
「もう人生の半分が過ぎているんだな」と折りに触れ考えています。
そして元気に動ける期間はもちろん有限です。
老後に備えなきゃ、「でも『今』を楽しまなきゃもったいない」という考えで毎日を過ごしています。
「老後」はあるかどうか分からない
わたしの父は50代で亡くなったので、父に「老後」はありませんでした。
看護師の仕事では、若くして亡くなった患者さんたちにたくさん出会いました。
やりたいことを先延ばしにし過ぎないように、計画的に楽しんでいきましょう!
元気な今こそ楽しむ
仕事でであったたくさんのお年寄りから、たくさんの言葉をかけてもらいました。
「今楽しまないともったいないよ」
「急に元気じゃなくなるのよ」
「わたしがあなたの年に戻れるなら、〇〇も〇〇もするわ」
そうだね。いつ病気になるか、いつ最期がくるか分からないもんね。
そして生きてる限り年を取ります。
わたしたち40代は更年期についても考えないと。
「今」を楽しまないのはもったいない!
「今の楽しみ」と「老後の備え」は両立できる
「老後2000万問題」と言われて久しいですね。
わたしも目下この問題に取り組み中です。
節約や貯金に真剣になると、そのことばかりに必死になりがちです。
必死すぎてお金使うのが怖くなったりね。
お金を使う・使わないのバランスが見えない…
お金のことを学ぶのは、ある程度の期間、がっつり取り組むのがオススメです。
日常的にお金のことを考えられるようになれば、お金の使い方のマイルールが出来てきます。
徐々に自分なりの「楽しみ」と「備え」のバランスが見えてきますよ。
人や社会とつながって、備えて楽しむ!
おひとりさまは「簡単に人に頼れない」反面、「ほとんどのことを自分で決められる」という利点があります。
あなたもこれまでの人生で思い当たることがありますよね?
おひとりさまの友達にグチりながらも頑張ったな〜
病休制度のお世話になったこともあるよ
人とつながることも、備えて楽しむことも、あなたなりのベストバランスが見つかるはずです。
わたしもさらに良いバランスを見極めたいと思います。
一緒にがんばりましょ!